スーパーセブンはエンジンに乗る車


俺こと、”たびじ” が綴る車のブログ。

大きな期待と、
厳しい現実が織りなす
スーパーセブンの
レンタル試乗。

究極の車を体験し、
たびじは何を思うのか。

さあ、今日も始めよう。


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・車好きの行き着く先



スーパーセブンは
エンジンに乗る車だ。

こんなことを言えば、
普通の人から見れば、
もう変態発言だ。

だが、そもそも、
スーパーセブンは
走る変態と言えないか。

レンタルしてみて、
よく分かった。

笑ってしまうほど
小さなハンドル。

ウインカーはトグルスイッチで、
リターンは手動だ。

ワイパーは
30cm定規よりも短い。

フロントガラスの
面積は最小。

風除けにもならない。

もう、
書けば書くほど変態だ。


だから、俺はワクワクした。


実車を目の前にすると、
そのサイズは
本当に小さい。

これはもう、
公道を走れるゴーカートだ。


・エンジンは現代版という弊害



そんなスーパーセブンで
唯一まともな部品が
エンジンだ。

そいつはスタートボタンで
一発始動する。

低速から充分な
トルクを発生する。

ちょっとラフに
クラッチを当てても、
エンストの気配すらない。

なんともいま風なエンジン。


これが俺には致命的だ。

面白くもない。


シャシーもシートも
ハンドルも、
あらゆるパーツが50年以上
前の設計図通りだ。

ただ、エンジンだけが、
現代のスマートな
それを搭載する。

フォードの
ファミリーカーエンジン。

もちろん、
500kg前後の軽い車体には
十分な出力なのだが。


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だが、
それではダメなのだ。

こいつは、
とんでもないコストと、
覚悟を持って手にする車。

もし手にすれば、
とても満足できる。

それは間違いのない事。


だがいずれ感じる違和感を、
レンタルする数時間の間に
感じてしまった。

無意識が打ち鳴らす
カネの音に
気付いてしまった。

そこにある楽しさが、
無条件のものでは
なくなってしまう。


・中古市場という大海原



中古車を探すという、
それは大海原。

手漕ぎボートで
沖へと単身向かう。

もはや遭難する未来しか
思い浮かばない。

水先案内人が必要だ。

未知の世界に
躊躇する俺がいる。


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結局、
スーパーセブンの新車は
選択肢から外す。


そのきっかけは違和感。

間違いなく何かが違う。

おそらくバランスだろうと
思い付く。

エンジンとその他との
バランス。


大きな期待を抱いて、
はるばる県を跨いで、
出かけた。

何かを得なければとは、
昭和的な必死さだが。


実際に試してみれば、
とても楽しい車だ。

点数なら80点以上を
与えられる。

ところが、
コストを加味すると
微妙だ。

車庫を建てて、
車体のお金を用意する。

もはや、一千万円の大台に
乗りそうな勢いだ。

ならばその覚悟に、
見合った納得感が欲しい。

期待を上回るスコアを
叩き出して欲しい。

そう願いながら
レンタルしていたのだ。


おそらく、
スーパーセブンは
エンジンに乗る車だ。

気温・湿度・気圧、
すべてを肌に感じながら、
エンジンと格闘する車だ。

となると選択肢は、
中古のキャブ車なのか。

キャブレターの車は、
ほとんど記憶にない。


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そういえば若い頃、
夢中になったバイク。

ホンダのCBR250Rは
キャブレターだった。

小排気量で4気筒。

カムギアトレインで
電気モーターのように
回るエンジンだ。

だから、
キャブレターの味は
薄かったと思う。

それでも、
エンジンの息遣いが
ダイレクトに伝わる。

その感覚は覚えている。


車体から伝わる鼓動が、
内燃機関を運転している
実感を掻き立てる。

いやが上にも
興奮を呼び覚ます。

ガソリンに火がつき、
火炎が伝播する。

轟々と音を立てながら
燃え盛る炎。

その様が、
右手の一捻りで
大きく変わる。

この手のなかに収まる
とてつもない力。

原始の人が、
始めて振りかざす
松明のように。


霧状のガソリン粒子に
火が回る。

粒々の一つひとつが
爆発して何倍にも膨れ上がる。

生み出される
凄まじい熱と圧力。

その熱は連鎖し、
波のように次から次へと
爆発がこだまする。

エンジンから車体へと
伝わるそのリズムが
心地いい。



あの感覚を
もう一度味わいたい。

おそらくこれが、
俺の本音だ。

この記事へのコメント

  • 同じように悩んでいる中年です
    セブンも候補で、なかなか自分で乗る機会がないまま悩んでましたが、こちらの記事で腑に落ちました
    やはり、軽エンジンだったりフォードの実用エンジンでは・・・ですね!
    趣味の車は、基本的にほめたたえる記事ばかりなので、こういった視点はとてもありがたいです
    2022年04月03日 11:20
  • たびじ

    読んでいただき、ありがとうございます。
    少し前の記事だったので、コメントがついたことに気づかなくて、申し訳ありません。
    セブンはとてもいい車です。その気になればエンジンを乗せ替える選択肢もアリです。
    この車が新車で手に出来る期間も、もう限られてくると思います。
    決断はお早めに。(笑)
    このあと、徐々に記事にしますが、私は次の車を決めました。
    なんと国産車です。
    こちらも、どうぞお楽しみに。
    2022年04月30日 22:09